2019年11月23〜24日 リピーター専用ツアー
過去何度もご一緒させていただいているリピーターさんが、久しぶりに屋久島に癒されに来てくれました。
前日から天気が悪く、初日となるこの日も宿に迎えにいった時は雨は止んでいたものの、道路はついさっきまで雨がたくさん降ってました状態。
ただ、私たちが向かう方面は雲が切れていたので、微かな望みはもっていました。
ですが、大局はあまり良い流れではなく、2日目に関しては台風から温帯低気圧に変わった前線が抜けていくので荒れそうな感じでした。
2日目に関しては、もう最初から雨を覚悟して考えないようにしました。
問題は初日です!
せめてどちらかの日程は晴れて欲しい。
2日目が絶望的ならば、せめて初日に山頂での景色を堪能したい!
それさえ無理ならば、森の中を歩くツアーに変更するというのも選択肢のひとつだと思って、お二人には説明させてもらっていました。
当日の朝まで散々悩んだすえに、山頂を目指す当初のプランでいくことに決まりました。
決断した時は晴れていたとしても天気は変わりやすいですし、後ろを見るとドス黒くて低く立ちこめた雲が屋久島に当たって逸れているラインがクッキリと見えます。
後ろを見ると不安になるので、前をみて歩きます(笑)
蓋を開けてみれば秋らしい晴天の空が私たちを包み続けてくれました
いつまで晴れが続くかは分からない…。
そんな状態の中、道に積もった落ち葉が秋を演出してくれます。
後ろをみると依然として屋久島に大量の雲が当たっているのが分かります。
でも、私たちの向かう方向にはごらんの青空しかないのです♪
山頂に着いてもこんな天気でいてくれたらなぁと思いながらも、それがたやすいことでは無いことを重々理解している私たちは、ただただこの美しい光景を眺めていました。
とても気持ちの良い風が通る場所で、清々しい休憩となりました。
この登山道で意外と見落としやすいのがこの木なのですが、Tさんはしっかりとこの木を発見しました!
さすが屋久島に通い詰めているだけはあります!!
この木、ヒノキとスギのコラボなのですが非常に面白い成り立ちです。
思わずウロウロ歩き回り、ジロジロ眺め、フムフムと頷いてしまいました(笑)
お昼頃には、遠くに見えていた山頂もしっかりと雲の中に入って姿を隠してしまいました。
でも、それは想定内です。
特にこの日は気温が高く、腕まくりをして歩いてたくらいなので、日中はどうしても雲ができやすいです。
問題は気温が下がりだした夕方です。
そう、私たちが狙っているその短い時間帯。
思った以上に道が荒れていたため、山頂アタックするまで時間がかかってしまってかなり遅れてしまいました。
急ぎ足でひたすら山頂目指して歩きましたねぇ〜。
こういう時はきれい事は役に立ちません。
頑張って出逢いたい光景に出逢うのか、それとも負けてその瞬間を逃すのか…。
私たちは、なんとかギリギリの所で間に合いました!
山頂は風が強いので、冷えないようにまずは上着を着て美しいドラマが始まるのに備えます。
正味30分ほどだったでしょうか…。
到着があと10分遅れたら一番美しい時間帯を見逃していたはずです。
それぐらいギリギリの所でした!
移ろいゆく時間と景色を体で感じながら、私たちが求めていた瞬間に幸運にも出逢えたことを深く感謝しました。
この日、この夕陽を眺めていたのは恐らく屋久島中で私たちだけだと思います。
地上ではもうとっくに陽が落ちた状態ですし、島の反対側は完全に厚い雲の中ですからね^^
最後の最後の一瞬まで夕陽による素晴らしい光景を楽しませてもらい、雲の向こうへと陽は沈んでいきました。
ギリギリまで楽しんでしまった私たちは、真っ暗な夜の道をヘッドランプ点けて歩く事になります。
時折、頬には霧のような小雨のような粒があたりますが、本格的な雨にはなってきません。
本当に幸運だったとしか良いようが無いです。
おまけに、夜は奇跡の星空♪
誰も期待していなかったので、全てが期待以上のものでした。
しかし、夜中からは雨が降り始め、朝はすでにしっかりと降っていました。
濡れた森は美しく、写真を撮ろうとしたら…私のカメラが動かなくなりました。
そして、電源さえ入らなくなり…(T_T)
時折雨足が強まる中、ヒルとの壮絶な闘いを繰り広げながら下山し(笑)、お昼を食べるタイミングと場所を選んでいました。
雨が降っていたのでタープでも張ろうかとウロウロしていると、急に雨が止み、薄明るくなってきました。
信じられないことに、本当に私たちがご飯を食べている1時間だけちょうど雨が止んでいたのです。
その後はまた雨が降り始め、下山した後にはもう土砂降りです!
後で天気予報の雨雲レーダーを遡って見てみたのですが、朝からもう島の東側のマップ上は真っ赤!
もの凄い土砂降りだったようです。
私たちは島の位置によってあの土砂降りを全てかわしていたのです。
色んな事に恵まれて過ごした2日間ですが、山はやっぱり最後の最後まで行ってみないと分かりませんね。
ある程度までは確率を絞り込んだら、後は決断して行くのみ。
リピーターさんとならではの登山となり、やっぱり山は面白いなぁと思わされた2日間でした。