タネガシマムヨウラン
Aphyllorchis montana
科名:ラン科(Orchidaceae)
観測日:2019.9.10
標高:100m付近
先輩ガイドのSさんがタネガシマムヨウランを前の年に見つけたみたいで、今年もそこに行くというので一緒につれていってもらいました!
夏の低地はもううだるような暑さで、そもそもこの時期によく低地を歩き回ったなぁとそこに感心(笑)
ちょっと森に入っただけで、汗は噴き出るは、露出した肌には蚊がすぐに群がってきてボッコボコにされるはで、まぁ大変なのです!
しかし、こんなに存在感があって、しかも美しいランに会えるのなら話は別ですよね(^_-)-☆
漢字で書くと種子島無葉蘭。
種子島は最初の発見地です。
漢字のイメージでは葉が無いとなっていますが、退化したような痕跡はありますね。
九州南部~沖縄県に分布しているのですが、良い状態の花を見ようとしたら暑さとの闘いは避けられないそうです(^_^;)
実際に森に入った感想ですが、ビックリするくらいの群落でした!
正直、数本見られればもう幸せ♪って思っていたので、いきなり度肝を抜かれました(笑)
見て気づく人もいるでしょうが、一切緑色がありません。
つまり、光合成をしないということです。
このタネガシマムヨウランは菌従属栄養植物と呼ばれる植物で、栄養を菌類から貰っています。
昔は『腐生植物』なんて呼ばれていましたが、現在はこの『菌従属栄養植物』と呼ぶのが一般的です。
エネルギー交換するなんていう生ぬるいものではなくて、一方的に貰うだけというスタイルが潔よく、美学さえ感じます(笑)
絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来に絶滅の危険性が高いもの)にも指定されている植物ですので、本当に大事に見守りたい植物です。
レッドリストのランクを詳しく知りたい方はこちら → https://www.env.go.jp/nature/kisho/hozen/redlist/rank.html
こうやって写真で撮るといかにも分かりやすそうですが、森の中で実際に見ると意外と見つけづらいです。地面の背景色に溶け込んでしまって、気にしてないと踏んでしまうはずです!
この日見つけた個体では、平均して30-60cm位が多かったので、サイズとしては誰でも目に付きそうなものなのですが、これがこれが…。
久しぶりにレアなランにあって、なんかとても満たされた1日になりました(*^o^*)♡
色んな植物が、私たちが暮らしているようにこの屋久島でヒッソリと命を繋いでいると思うと、本当に嬉しくなりますね!
また逢いにいきたくなりました。