屋久島植物ノート|英語ガイドの必携アプリになれたかな?

自然の中を案内する時に、植物に限らず生き物の名前をどう伝えるかは永遠のテーマだった。
学名で伝えても伝わらないことが多いのは日本も海外も同じ。ただ、学名のおかげで伝えられることがあるのは事実で、知らないで伝えられないのはガイドとして厳しいなぁと思っていた。
だから、自分で頻出度の高い植物や動物のリストをエクセルで作り、プリントアウトしていつも持ち歩いていた。
ただ、これにも限度がある。
例えば、普段はあまり目にしなかった植物に出逢い是非紹介したい。しかし、頻出度が高くないためリストにない…。ツアー後にお知らせしますねと言っても、「いや、大丈夫です」と…。
相手が名前にそこまで興味が無いのは仕方がない。でも、知りたい相手に届けられないのは言語の壁があってももどかしいものだった。
紙という媒体にも問題があって、プリントアウトする枚数が多いとポケットに収めづらく、どうしても字は小さめになり年齢的にも見にくくなってきた😆
そして、屋久島は雨が多いので雨の日に出すと文字がにじみ、紙がビショビショになり、その日1日保てばいい方となってしまう。
色々と改善を試みながらいままでガイドをしてきた。
そして、2026年の8月はいつにも増して予約が少なく、予約が集中していた所に台風が来るというすごい年。それが9月も続いたので、ついに重い腰を上げてみた。
それが、今回紹介する「屋久島植物ノート」です。
屋久島で見られる植物1,805種を、和名・英名・学名のどれからでも素早く引くために作ったアプリです。
植物を同定するためのアプリではありません。ガイドがすでに知っている植物を、海外からのゲストへ伝えるための“現場の道具”として作り上げました。
植物ノートアプリに求められたもの

1番はオフラインで動くこと
これだけは譲れないです。今や植物アプリなんて普通に存在します。でも、オフラインでしっかりと使えるものは少なく感じます。
そして、既存の植物アプリはその植物を知るためのものであることが多いです。
一方で私が使いたいのは、ガイド自身がその植物を同定し、その先のお客様に伝えるという部分で活躍するアプリなんです。
もし自分がゲストの立場で、ガイドが目の前の植物をその都度アプリで同定していたら、正直ちょっと引くと思います😆
もちろん、植物を調べるためのアプリとしてはとても便利です。
でも、私が欲しかったのはそこではありません。
植物そのものはガイド自身が同定する。そのうえで、「この植物の英名は?」「現在使われている学名は?」という部分だけを、その場ですぐ確認できる。
そんな“ガイドのための道具”が欲しかったんです。
なので、今回私が作ったアプリは、以下のことだけに特化しています。
- 検索文字を入力する
- 対象の植物名をタップする
- 学名・英名・和名とプラスちょこっとが表示される
入力文字は一文字入れる毎にリストが絞られるので、全てを入力する必要はありません。山の中で何十秒もスマホを触りたくないですし、毎回正確に入力する自信もありません😁
和名だろうと、英名だろうと、学名であろうと調べられるようにしてあります。ローマ字入力にも対応しているので、「tsubaki」でもヤブツバキにたどり着けます。
私のように老眼が始まっている人は、ピンチして拡大もできます。これは、ゲスト側が年配の方の時も活躍する機能だと思います。
学名・英名をどうやってマッチさせるか
学名でさえ統一見解が無いのはザラです。日本の図鑑と海外のものが違うのも普通にあります。でも、私が1番想定している対象は、海外からのゲストです。
だったら、日本基準の学名ではなくて、世界基準の学名で表示させたい。しかも、しっかりとした整合性を保ちつつ、自分で固定した判断基準通りに判断していく。
図鑑ごとに違う名前を適当に寄せ集めたわけではありませんからね。
気になるであろう判断基準は以下の通りです。
| 何を | どこから採ったか |
|---|---|
| 学名 | POWO / WCVP(英国キュー王立植物園 Plants of the World Online) |
| 科名 | 種子植物は POWO(APG IV系)/シダ・小葉植物は 維管束植物和名チェックリスト(PPG I系) |
| 和名 | 維管束植物和名チェックリスト(JBIF)。異名や旧名の確認には YList |
| 屋久島にあるかの確認 | GBIF +『屋久島維管束植物目録 2026年版』。鹿児島県内の分布は『鹿児島県の維管束植物分布図集』(鹿児島大学総合研究博物館 2022)で確認 |
| 英名 | GBIF + ガイド仲間の「通じた」記録 |
科名だけ種子植物とシダで出典を分けているのは、POWOがシダを広いくくりの科でまとめているからです。屋久島の図鑑や目録が使っている体系と揃えないと、現場で照合できません。
最初は、判断基準さえしっかりと決めれば整合性を保つのは楽だと思ってましたが、まぁトコトン甘かったです😅
判断基準の細かいところは、アプリを使いたい人向けに作ったLINEのオープンチャット内で説明しているので、ここでは省きます。
ちなみに、このアプリにはフィードバック機能を持たせてあるので、実際の現場での反応も盛り込めるようになっています。
一点、補足させてください。
学名、和名に関しては良い出来になっていると思っています。しかし、英名だけはどこにも正解がないため、ある程度の信頼性があると言えるのは、ほんの一部に限られます。
こればかりは仕方がないですね。ですが、一応は挑戦してあります。
具体的には、信頼度に応じて【A】【B】【C】と表示させています。実際にゲストに見せられるのは【A】だけでしょうね。
ここからは、利用する皆さんのフィードバックを元に、少しずつブラッシュアップしていけたらと思っています。
【A】ランクの精度を高めて、実用性を上げていけたらと思っています。
屋久島植物ノートを使いたい方へ
先に言っておきます。主に、屋久島の海外ゲストへのガイディングの質を上げるために共有するものなので無料です。
これを使って、屋久島の海外ゲストへのガイディングレベルをみんなで向上させましょう。そのためには、役に立つのではと思って公開に踏み切っています。
元々は、自分が使うために作りはじめたのですが、これだけ時間と労力をかけるならば自分だけで使っていたら勿体ないなぁと思い始めたのが発端です。
利用をご希望の方は、オープンチャットへお越し下さい。
承認制となっています。
氏名(漢字)と所属をご記入頂いています。
シンプルに、どんな人たちが興味を持ってくれていて、実際に使ってくれているのかを知りたいだけです。
LINEのオープンチャットはこちら👇
オープンチャット「植物ノート貸出帳」

まとめ
やっと作り上げた喜びでいっぱいなのが正直な所です。
相当チェックしましたが、それでも何か不具合やら間違いがでてくるかもしれません。
使うことで、知らない植物への距離も縮まるのではとも思っています。
アプリを作る段階で、まぁ色々と成長もさせてもらいました😆
一旦はゆっくりとしたいと思います…。
と言いたい所ですが、調子にのって既に手がけはじめているものがあります。
あまり調子に乗らないようにしようと思います。
1日中PCの前で作業するのも大分疲れてきたので。
楽しいからつい夢中になってしまうんですよね😅

