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南アルプス縦走 2日目|地蔵岳オベリスクと早川尾根を歩く

南アルプス縦走 2日目|地蔵岳オベリスクと早川尾根を歩く

雨と風の稜線で鳳凰三山を越える

9月28日。前夜は寝不足を解消するべく良く寝た♪朝まで雨が降っていて、雨音に眠気が勝てず一時間寝坊・・・。起きたら雨も止んでいて、シマッタ・・・。決めた時間を守らないと後悔の元になりますね。トホホ。

またもや雨音如きに負けたのでした・・・(無念)。急いで朝食の準備。朝はまずコーヒー。飲んでいる間にアルファ米が出来上がるようにして、後はお味噌汁を作っておしまい。そうです、一週間ずっとこのメニューです(笑)

アルファ米の味は変わるけど、基本はずっと一緒。長丁場になれば、贅沢なものは要らないなぁ。余計な荷物を持つより、その分山を楽しんだ方がいいもんなぁ。昔は食べることもかなり重視していたけど、今では少し変わってきた。ま、ガイドとして山に入るときはちゃ~んと食事も重視しますけどね(笑)

さてさて、テントを撤収して、歩き始めると遠くに山が見えてきます。。あれ??会田:「ねぇねぇ太郎ちゃん。あれって富士山かなぁ??」太郎ちゃん:「うわっ!でかっ!!」とまぁ突然の予期せぬ富士山の登場にビックリ。だって、完全に雨の一日を覚悟していましたからねぇ。

途中、薬師岳小屋から下山してくるお一人と出会い話し込む。そして、しばらく行くと砂払岳(すなばらいだけ)に到着。でも、これって名前を付けるような所かなぁ。薬師岳の小ピークで良いような気が・・・(笑)

南アルプスでは少数派の花崗岩で出来た山のため、風化した砂が堆積してまるで砂浜のようだ。このあたりは花崗岩がマサ状になっており、風化の速さが伺える。庭に使う真砂土にちょうど良いかも♪あっ、持ち出しはもちろん厳禁ですぞ。

ちょっと手前から雨が強くなり出したので、雨具を装着。(写真は風に耐えるように進む太郎ちゃん)

猛烈な風で、顔に当たる雨粒が痛い!!それでもその風のおかげで景色が見える。ならば良し!!見えるなら何でも受け入れようって気になってきます(笑)

遠く地蔵岳のオベリスク(太忠岳の天忠石みたいな岩などをこのように呼ぶ)が点のように聳えているのが見える。黄葉も美しい!針葉樹の緑と黄葉の黄色、そして花崗岩の白のコントラストが美しい。さ~、今行くから待ってろよぉ~♪

爆風に耐えながら進んで行くと、前方から4人組が下りてきます。(写真中央やや右に4人歩いているのが見えますか??)カッパにバチバチと雨粒が当たる中、久しぶりの登山者との会話を楽しむ。

天気は荒れ気味だが、それを彼らも楽しんでいるように見えた。これから中道を通って青木鉱泉まで戻るそうだ。彼らもそうだったが、登山中「どこまで行くのですか?」と良く聞かれる。行程を手短に話すが、だいたい呆れられる(笑)

これから行こうとしている早川尾根は通る人が夏でも少ないようだ。私はそんな所がもちろん大好きなので(笑)、早川尾根を通っていくのだけは外せなかった。鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)を繋いでくれている貴重な尾根。今から楽しみだなぁ。

そんな早川尾根はまだ少し先で、ちょっとずつ歩を進めて行くと・・・。!!!。な、なんじゃ。盆栽か!突然、カラマツの天然盆栽が♪余りにも曲がりが美しく、また地蔵岳のオベリスクが背後に見える辺りが更に好印象!

根回りには誰かが置いたであろう石があり、この樹を守っている。どんな経緯でこの樹だけがこの僅かな平地で生き残ったのかは分からないが、その存在に誰もが「おぉ~♪」と思うことだろう。

それにしても、カラマツってこんなに稜線でも頑張れる樹だとは知りませんでした。ダケカンバとカラマツがこの辺りの二強でしたね。

いよいよ地蔵岳が近づいてくると、眼下に人の暮らしが見えてきます。あ~、何か良いなぁ。北アルプスでは感じられなかった優しさがこの南アルプスにはあるなぁ。

これはあくまでも私個人の印象ですが、北アは人を寄せ付けない自然美。南アはどこか人の暮らしを見守る存在として山がある気がしました。山々の間のわずかな平地に人は集まり、町を造り・・・。

な~んか良いなぁ。一週間の行程の中でも、韮崎市方面を眼下に望んだこの景色がすごく目に焼き付いています。何とも上手く表現できませんが、な~んか温かい光景でした。

観音岳から地蔵岳あたりも花崗岩の風化が著しい。大きな単位で花崗岩に節理が走っている。屋久島もいづれこのような風化が進む時代が訪れるのだろうか。もともと風化しやすい岩ではあるので、やむを得ませんがね。

そうすると、山の印象も大分変わってくるだろうな。まぁ、私の人生の長さでは何も変わりはしないがですがね(笑)。しかし、それにしてもすごい風化だ。

風化した花崗岩の山肌を歩いていると、岩陰に草がひっそりと生えており、夏の賑やかな高山植物を想像させてくれる。すると、ふと紫色の花が目に入った。まだまだこの時期でも居るではないかぁ♪

チシマギキョウであろうか?色も大分褪せ、かなりグッタリしている(笑)他で見た個体も大分限界点に達していた。それでも姿を見られて嬉しかった。私はハイシーズンの混んだ山は好きではないが、花を見たければそれを覚悟で来るしかないという事だろうか。でも、お花畑を目にしたら前に進めないだろうなぁ(笑)

周りを探すとコバノコゴメグサもまだあるではないか!へへへ。こちらは、まだしっかりとした色つやをキープ♪腺毛にガスの雫が付いてキラキラしている。花との出逢いを満喫し、ザックを取りに行くと4,5m程斜面を転がっているではないですか!!

辺りが砂だらけだったので、ちょっとした岩の上に置いておいたのですがバランスが崩れたのか、はたまた爆風でよろめいたか・・・。いづれにせよ、下まで落ちなくて良かった。ホッ♪深~く反省した瞬間でした。

油断は禁物です。「まいっか♪」というのは良くないですね、ハイ・・・。

花を愛でてパワーアップし、ザック事件で気を引き締め、更に歩いていくとアカヌケ沢ノ頭に出た。右を見れば、ほ~れご覧の通りのオベリスクが♪見たかったんですよねぇ、この岩を♪

雨も止んでるし、視界はあるし。いや、視界があるなんてものではありません!ここからの眼下の景色は本当に絶景です。し

かも、山々の景色ではなく、人の暮らしの景色が絶景なのです!ずっと、ずっ~と見ていたい!そう感じさせてくれる景色でした。恐らく南アルプスの中で私が最も印象に残った光景でしょう。

綺麗な景色はこの後もたくさん見ていきます。でも、この景色が一番私にとっての南アルプスを代表する光景になりました。深く高い山々と、その隙間を最大限に有効活用して暮らす人々。なんか良かったなぁ。

さて、オベリスクとの鞍部にある賽ノ河原(さいのかわら)に下りてみた。ここには、子宝に恵まれるよう願いを込めて置かれたお地蔵様や、その願いが成就したお礼のお地蔵様が安置されている。眼下に広がる人間の暮らしを優しく見守ってくれているようにも見えた。

お地蔵様らしいお地蔵様、すごくかわいらしいお地蔵様、何故か首から頭巾を下げてそこにお賽銭?がたくさん貯まっているお地蔵様。いづれも、皆の願いを叶えてくれるお地蔵様だと思うと、手を合わせずにはいられなかった。

地蔵岳を背景に望むホソバトリカブト(かな?)。この辺りは、花崗岩が地表部分から風化していて、砂礫になっている。日当たりも良いので、結構高山植物が生えそうな場所でもあったぞ。この種は、夜叉神峠登山口から入ってすぐの樹林帯でも良く目に付いた。まぁ、もちろんもっと大きかったけどね。

あたりを探せばイワギキョウであろうか?大分色素が抜けているが、良くもこの時期まで姿を残しているものだ。いつも人の少ない時期を狙っていくと、花の時期をはずしてしまうのは惜しい。

しかし混み合っているのはもっと嫌なので、個人的には妥協出来る範囲なのかもしれない。さてさて、花を楽しんだり、地蔵岳のオベリスクに登ったりと意外と時間を使ってしまった。特にオベリスクには丸腰で行ったのだが、多少確保をとって登る方が良いと思う。

あそこは不用意に登ると却って怖い気がした。古いものから新しいものまで何本もザイルが下がっているが、新しいものだけ残した方がまだマシだ。直接登れるものだとはその場に行くまで知らなかったので、心の準備不足でしたね。まぁ、記念に登れて良かった♪

地蔵岳をあとにし、いよいよ早川尾根に突入だ!ここは夏でもあまり人がいないらしいぞ。景色の良い尾根歩きが続き、アップダウンがキツイ場所もあるが歩き応えがある。途中に「高嶺(たかね)」と呼ばれるピークがあって、そこまでは比較的高低差の少ない尾根をサクサクと歩けて気持ちがよい。

文字通り「高嶺の花」を探してみたが、残念ながら見つからなかった。太郎ちゃんにはバカにされつつも(笑)、ちょっと高嶺の花に手を伸ばしてみたかったのだ。

冷たい雨がまた降り始め、尾根歩きだが樹林帯の中となる早川尾根のアップダウンを味わう。途中に、白鳳峠(はくほうとうげ)と広河原峠(ひろがわらとうげ)があって、それぞれの峠までガッツリと上り下りを味わうことになる。

登山道の両側は苔が林床を覆って美しく気持ち良く歩けるのだが、またもや私はパワーダウン。体が少ない食料での行動についてこない(泣)もとからよく食べる方なので、まだ体が適応しきらないようだ。トホホ。何とか甲斐駒ヶ岳を雲の中に見える位置の広河原峠まで歩きつめ、あとひと登りで早川尾根小屋だ。頑張るぞ!

突然おにぎりの写真になったが(笑)、ようやく早川尾根小屋に到着した。小振りで好感の持てる小屋だった。うちらはテント泊なので、他に誰も居ないテント場を借りることになった。

ココは、山水もあり空を仰げばお月様も見えて、なかなか良かった。小屋に泊まってもきっと良い感じなのだろうナァ。夜は、夜ご飯を食べるだけでなく、次の日のお弁当となるおにぎりを作るのがルーティーン♪昆布を入れたり、梅干し入れたり、ふりかけにしたり。

特別なものは何もないけど、山で食べるおにぎりは最高だぞぉ(笑)それに、どんな天気でも簡単に食べられるし、食べたい時に一個ずつ食べていけばお腹も膨れないし、お昼時間をわざわざ取る必要もない。おまけに安い(笑)もう言うこと無しだね。というわけで、夜な夜なこんな感じでおにぎり作ってました。

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