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アラスカ・カヤック旅【Misty Fiords National Monument】Day2

さぁ、2日目の冒険が始まります!

どんな自然が私たちを待ってくれているのか楽しみです。

どこまでもアラスカの自然が私たちのまえに広がっています。

 

強風吹き付けるBehm Canalのカヤック横断、そしてManzanita Islandへ

 

 

風の谷のナウシカに出てくるオームにそっくりな地形を見つけて収めた写真

 

5月28日(2日目)テントを開けてみると冷たい空気が顔にしみる。

しか~し、太陽が顔を覗かせているではないか!

こりゃ~、一刻も早く漕ぎ出さなくては。

というよりは、一刻も早く水面に浮かび、カヤックを滑らせていきたい。

焦る気持ちを落ち着かせつつ温かいコーヒーを飲むが、心はやはり正直。

漕ぎたいのだ(笑)

朝食を済ませ、ルート確認をしていよいよ出発だぁ!!

頭は早くも気持ちいいオーラで包まれている。

一つ一つの細胞を感じられるようだった。

しばらくすると、オーム発見!

写真中央の、こんもりとした丘です。オームが左を向いて進んでいるように見えたので写真に納めてみました(笑)。

 


 

どこまでも広がるRudyyard Bayの広がりを捉えた写真

 

パドルを漕ぐ音だけがする。

それにしてもこの Rudyerd Bayは一体どこまで続いているんだろう。

果てしない景色の広がり方だ。

しっかり漕いで行くぞ~。

どこを見ても美しいからどこを見ても良いし、果てしなく景色は続くので急いで見る必要もない。

なんとゆったりした時間なんだろう。

そもそも時間って何だろう?

ここで大事なのはいつ陽が沈むのかということくらいだ。

何をいつしようが自然が許すのならそれで良いのだ。

 


 

広がる水の向こうに並ぶ山々と、空に浮かぶ雲が川面に綺麗に映し出されている写真

 

どれくらい漕いだであろうか…。

途中疲れたら漕ぐ手を止めて、カヤックの上でそのままの姿勢で寝た。

食料を積んだ船で上陸し、その近くで寝るのは危険すぎる。

それより、船の上で寝る方が遙かに安心だ。

そしてなにより、上陸ポイントを見つけるのも一苦労だし、すぐそこに見えるポイントに行くのに1時間はかかったりする。

お昼だけ上陸し、しばらくしたらまた漕ぎ出した。

この日は確かにハードだった。

でも、時には自然がそれを要求する。

いつもいつも楽しいだけではないのが自然だ。

するとやっと大陸側が見えてきた。

と、遠い…。

さぁ~、どうやっていくか?

潮をチェックしなくては…。

 


 

水面にヒョッコリと顔を現したアザラシ(Harbor Seal)の写真

 

むむむっ、何かいるぞっ!

なんだあれは?

気付くとカヤックの近くで顔を上げて、こちらを静かに覗いている。

もちろん近寄ろうとすると水中に逃げてしまう。

う~、気になる。

何頭か観察する内に、明らかに彼らはこちらに強い興味を抱いていることを実感した。

すると、10m位先に出てきた。

ア、アザラシ(Harbor Seal)だ。

うぉ~、可愛い~。

なんと愛くるしいやつなんだ。

この時は、ただただ出会えたことに喜んでいただけだったが、後に彼らがこの5日間の旅に絶えず安らぎを与えてくれることになるとは思いもしなかった。

 

 


 

Behn Canalのなかほどから見た景色の写真

 

Behm Canalを中ほどまで来た。

上流側を見るとまだまだ雪を冠した山々がよく見える。

いつかあっちにも行ってみたいなぁ~という想いが心をよぎる。

すると何やら風が出てきた。

瞬く間に波は高くなり、カヤックは舳先から海へと叩きつけられる。

ま、まずい…。

こんな所で間違っても転覆するわけにはいかない。

乗り切るしかない。

まだ半分近くあるのに。

この運河を渡る時は風と風によって出来るChopと呼ばれる独特な波には気を付けるようにとカヤックを借りた所のガイドさんはアドバイスしてくれていたのだ。

コレのことか…。

あとは自分を信じて進むのみだ。

何とか対岸にさえ着いてしまえば風は何とかかわせる。

行くぞ!!

 


 

やっとたどり着いた岸,Manzanita Island 。青空に針葉樹がこれでもかという程尖って空を突き刺そうとしている写真

 

恐怖のBehm Canal越えは終わった。

何とか対岸にあるManzanita Islandに上陸出来た。

ホッとひと安心だ。それにしても必死に漕いだものだ(笑)

笑い事ではないが、満足感もある。

とりあえずはこの美しい島でのんびりしようではないか。

風はまだ止む気配は無い。

気になるのが、写っている切り株だ。

一体どこからやってきたのだろう。

このエリアはWilderness Areaなので伐採はもちろん人工物さえ基本的に禁じられている。

嵐の日にでも波によって運ばれてきたのだろう。

 


 

Manzanita Islandの間に出来ている水路で、両岸を水際ギリギリまで針葉樹が覆っている写真

 

風と波を避けて大陸とManzanita Islandの間に出来ている水路を通った。

ここからは追い風になるので、余裕のパドリングだ。

ここを抜けて、左に進路をとればいよいよ今夜泊まる予定のポイントがある。

地図上ではここにもフロートがあるはずだ。

もし可能ならば利用しようと考えていた。

はたして、どんなものか。

まずは行ってみようではないか。

 


 

テントを張るポイントに到着し、森の奥に伸びていくトレイルと周りの森を撮った写真

 

ようやくポイントに到着した。

期待していたフロートは単なるブイでしかなくとても利用できるような代物ではなかった。

ついにクマ達と一緒の森で寝ることになりそうだ。

このポイントにはトレイル(登山道)があるので、テント場探しがてらに歩いてみることにした。

もちろんベアスプレーとクマ鈴は必携だ。

それにしてもこんな所にトレイルを作ってどれくらいの人が利用しているのだろうか?

逢うのは動物ばかりだしなぁ。

 


 

Beaver Pondと呼ばれるビーバーがダムをつくって池みたいになった場所の写真

 

5分も歩かないうちに池みたいなものが出てきた。

コレは、Beaver Pond(ビーバーによって作られるダムのこと)だ!

基本的には夜行性の性格が強いので、日中ではたまにしか姿を見ることは出来ない。

この時もビーバー自体は見られなかった。

残念。

それでも、ここにビーバーがいると思っただけで嬉しくなる。

それと、ビーバーのいるところの水は飲めない(Beaver Feaverという病気がある)。

このあたりでテントを張るのは水くみが面倒なので、別なところを探した方が良さそうだ。

 


 

アラスカというかいかにも北米らしい川の近くの景色に、係留された赤いカヤックが映える写真

 

1時間ほどビーバーのいる登山道を歩き、再びカヤックまで戻ってきた。

う~ん、何とも絵になる光景だ。

今こうしてアラスカでシーカヤックを漕いで旅していることを実感させてくれる。

さて、テント場は決まっていないが先にこの辺で夕食にするか。

テント場では一切食事が出来ないので(クマが臭いを嗅ぎつけてくるため)、ここで食べていく方が良さそうだ。

この明るさで19時近い。

22時位までは十分明るいから大丈夫だろう。

今日はおいしいソーセージがメインだ。

こっちのソーセージはとにかくうまい。

以前カナダにいた時もおいしかったなぁ。

日本のソーセージってイマイチだよねぇ。

さぁ~腹一杯食べるぞ~。

 


 

海水の中から水が湧き出ているのがポコポコと浮かび上がってくる泡で分かる写真

 

おいしいおいしい夕食をお腹いっぱい食べて、いざテント場を探しに再び出発。

地図上ではshelterと書かれたポイントがある。

どの程度のシェルターなのだろうか…?

探してみるとするか。

すると漕いでいる途中で、ボコボコと泡が沸き上がっている一角があった。

へぇ~、水が湧き出てるやぁ。

飲みたいところだが、海水と混ざっているので飲むのは無理。

残念だけどれども面白い。

どこからこの水は来ているのだろう。

 


 

 

夜22時でやっと夕焼けが広がってきた。遠い山に被った雪が赤く染まっている風景写真。

 

ようやくshelterと呼ばれる小屋を見つけとりあえず荷物を置いた。

でも、テントの方が良さそうなので、結局テントを設営しました(笑)

テントの方が温かいしね。

(shelterの全貌は後ほど。次の日の朝、明るくなってから撮ってあります)

そして更に夕方の水上お散歩。

見て下さい、この夕焼け。

時間は22時近くですよ。

頭では理屈が分かっていても、体が全身で「不思議だぁ~、不思議だぁ~」と言っていました。

この日の長さで、安心して旅が出来たのは大きかった。

だって、もしこれが逆だったら怖いでしょ?

冬は本当に逆になるんですよ。

現地の人はもちろんみんな慣れているとはいえ、私たち日本人には太陽が沈まなかったり、はたまた上がらなかったりするのは不思議な体験です。

地球って面白い星ですね。

 


 

かなり暗くなってきたけど、まだうっすらと空だけは明るく、お月様が小さく見えている。

 

辺りは薄暗くなり、いよいよ闇夜が訪れる。

常にグリズリーやブラックベアーの事が頭から離れないが、出来るだけのことをしたらあとは運任せ…。

でも、本当にこれしか無いのだ。

誰もいないということが、「自分」というちっぽけな存在をより鮮明に浮かび上がらせてくれていた。

自然の中で、一つの生命体として生きるには、自分はあまりにも弱いように感じられて仕方が無かった。

 


 

うっすらと月明かりに照らされた闇夜の中で、真っ赤な焚き火の炎が立ち上がっている写真

 

ここでは、たき火が許されている。

きちんと石で周りを囲み、且つその中は低く掘るかもしくは周りの石を高く積むかしなくてはいけないというルールはある。

火を焚き、そいて炎が揺らめく。

遠くには今だに白い雪を冠した山々がうっすらと見える。

火を焚いているだけで、すごく安心する。

無言で火を見つめる。

流れる水を見つめてしまうように、火もまた何故か見つめてしまう。

安らぎが心の中に広がる。

長いこと火を見つめた後、テントに戻り寝ることにした。

火を消し、火をおこせたことに感謝する。

乾いた木があって本当に良かった。

 
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