南アルプス縦走 6日目|間ノ岳・三峰岳を越え、熊ノ平小屋で満月を迎える一日

視界のない稜線の先で雷鳥と光に出会う
10/3となる6日目。視界ゼロ。昨日よりは収まった風と小振りの雨。テンションは低め。だって、景色も無ければ植物も無いんですよぉ。岩場の稜線で天気悪いと、ちょっと参りますね。仕方がないのですが・・・。
標高も標高ですし、下っていけば雲の下に出るかなぁと甘い期待を胸に下っていきます。途中、間ノ岳(あいのだけ)も通過しましたが、ただ通過しただけです。
唯一癒されたのが、雷鳥が三羽現れたことです♪足には追跡調査の印らしきものを付けていましたが、何とも愛くるしい姿に癒されました♪
あとは、ご覧のように歩いていくだけです。間ノ岳を越えると岩場が急になって少し面白かったですが、淡々と三峰岳(みぶだけ)に到着。反対から登ってきた男性と談笑をしていると、雲の切れ間が!いよいよ雲が切れていくのかな♪

少しずつ景色が露わになり、モチベーションも上がってきた。ずっとカメラを出す機会も無く、大きな高揚もなく(笑)、歩いていくと光が差し始めテンションは急激に上昇♪しばらく雨の中を歩き続けていますからねぇ。そろそろ欲しかったです♪
そんな時、眼下にこの光景が!明るい光が差しただけでも救われたのに、眼下には光りを受け輝く紅葉の谷間が!しかも、その谷間には小屋があります。どうやら熊ノ平小屋のようです。ナント美しい場所にあるのでしょう!
当初、私達はもっと進む予定でした。ですが、この光景を目にした途端、「太郎ちゃん、ここに泊まっていかない?」と口から出ていました。なんか、一気に力が抜けて、前に進む気力が無くなったのです。それくらい癒しの空間でした。

小屋まで下りてくると、「し、閉まってる・・・」。またもやリサーチ不足・・・。まぁ、急遽泊まりたいと思ったわけでやむを得ないですな。テント場が有るのは間違いないのでそちらを利用させてもらおうと思っていたのですが、小屋の情報を見直していると「一部期間外解放」なる文字が。
これって、冬季用に開いているのでは??だとしたら二階?・・・。ガラガラっと開きましたよ、ドアが。しかも綺麗なお部屋が開放されていました。こういう心遣い、本当にありがたいですね。誰も居ないこの小屋から、「人の気持ち」をヒシヒシと感じます。今夜はありがたくここに泊まらせてもらいましょう。
お日様を浴びながら、悠々と鎮座する西農鳥岳(にしのうとりだけ)をのんびりと、いつまでも眺め続けました。

コーヒー飲みながら地図をみたり、ボ~と目の前の絶景を見たり。双眼鏡で、正面に見える西農鳥岳の農鳥小屋を探してみたり(笑)ゆるめの私達も、縦走する中でいつの間にか引き締まっていた心が解け出していくような感じでした。あ~、暖かい。気持ち良い♪ありがとう、本当にありがとう。

実はこの日は中秋の満月♪狙っていたんですよ。どこかで満月にご挨拶するのを!結果、こんな場所をゲットしてしまいました~♪山が赤く染まる中、月が姿を見せ始めました。相当冷え込んできましたが、これを見ない手は無い!
綺麗だぁ、なんて綺麗なんだろう・・・。ここに泊まると決めて良かった。最高のタイミングで、しかも他に誰も居ないなか、まん丸お月様と対面できるこの幸せ。もう言葉にはなりませんよ、ホント。

そして、月はじんわりと山を登るように上がっていく。深い谷には完全な暗闇が襲い、山々の頂だけが月光を受けて色を帯びている。屋久島に残してきた家族にも見せてあげたいなぁ。そして、この素晴らしい景色を多くの人に見せてあげたいなぁ。そう思わずにはいられない景色だった。

月光を受けて熊ノ平小屋が月夜に浮かび上がっている。う~ん、何とも趣がありますねぇ~♪木製の素敵な佇まいが、なんとも堪りませんなぁ。実は、巨大な勢力を維持したまま屋久島、そして関西圏を抜けてこちらに進路を向けている台風がある。
うちらはこの台風のため明日でこの山行を終わりにすることを決めていた。明日は天気がまだ良さそうだけど、その後は台風通過まで天気が悪い日が続きそうなのだ。
そして何より、久しぶりの大型台風がまともに当たりそうなので、家族が心配なのと、山行を早めに切り上げないと当分屋久島へは帰れなくなりそうなのだ。飛行機や新幹線がまず止まるのは間違いないからね。そんな現実もあって、こうやって見られる最後の月夜に感謝感謝でした。


