タブガワヤツシロラン

タブガワヤツシロラン
学名:Gastrodia uraiensis

科名:ラン科(Orchidaceae)
観測日:2017.4.28
標高:100m付近(詳細は植物保護のため未記載にします)

 

春が本格化する頃、ある場所のある条件を満たした所に地味で小さな花を咲かせます。
この個体は地面から2cmほどの所で開花しており、少し目を離すと踏んでしまったのでは!とドキドキしながら撮影しました。
2015年に屋久島にて始めて発見された新産種で、台湾以外で見つかったのはこの屋久島が初。
腐朽菌がしっかりと息づく古い森にのみ、このタブガワヤツシロランは生息するようで、

いかに屋久島低地を構成する照葉樹林が大事か

を再認識しました。
ヤッタネ調査(ヤクタネゴヨウを調査する調査隊)では低地の森を歩き、何度もその魅力に魅了されましたが、今回は本当に色々な気付きと、感動をもらいました。
そして、改めて森林内での植物の繋がりというもを肌で深く感じたものです。
樹木や落ち葉などを分解する腐朽菌と菌糸が交わりあい、そこから栄養をもらって生きています。
150年以上人間が手を入れていない森とそれ以下とでは明らかに森が異なり、そんな古い森にこのタブガワヤツシロランは育ちます。

地面と同色、しかも高さ2cm程のその体で必死に開花を見せるタブガワヤツシロラン

 

 

 

アップで見るとしっかりとランである事が分かります。

タブガワヤツシロランの花の部分をライトアップして、花弁などが分かり易く撮った写真

 

 

このタブガワヤツシロランの花粉媒介を担うのは、どうやらショウジョウバエのようです。
これだけ目立たないと、臭いを出して虫を誘うしか無いですものね。
偶然、ショウジョウバエが萼の部分(花っぽい輪郭を作っているのは実は萼です)に止まってくれました。

タブガワヤツシロランにショウジョウバエが止まっている写真

 

 

このタブガワヤツシロランとその森との関係については、また別の記事にしたいと思います。